本書は、岸田秀の唯幻史観によって、日米関係史を説き明かしたものである。
唯幻史観とは、歴史や世界を病的な現象と捉える見方である。

本書の中で、問いかけられる中心的な問いは、なぜ、日本はあのような無謀な戦争に突入していったのかということである。なぜ、あのような悲惨なやり方で、戦争をし、負けたのかということである。

日本が軍国主義に占領されていたとか、狂っていたとかという理由付けだけでは、何の説明にもならない。そのような説明で思考停止するならば、国のために散っていった英霊たちは、狂った軍部に騙されて犬死したことになってしまう。これは、英霊に失礼な見方ではないか?

狂っていたのであるならば、なぜ、狂ったのか?どこから狂ったのか?どういう風に狂っていたのか?狂っていたのは軍部だけか?日本だけか?そして最大の問題は、またもう一度狂う可能性があるのかないのかということである。

以上挙げたすべての問いに、真正面からの思索と解答を試みたのが本書である。そして、それは、英霊への真実の鎮魂である。または、英霊に導かれるように岸田秀が書き記したものである。(未完)

(英訳“Place For Apology: War, Guilt, And U.s.-japan Relations)