【引用】
「自分の無意識は自分の心の中にあるのではなく、むしろ、自分の行動に対する他者の反応の中にある、と考えたほうがよい。」  (フロイドを読むp83)
「自己分析というと、自分の心の分析と思いがちであるが、心の分析というよりは、行動の分析なのである。」(フロイドを読むp89)


【解説】
岸田秀の自己分析の経験から導き出された自己分析理論は、彼の理論の中で中核をなしていると思う。人間関係などに問題があり、自己分析をしようと思う場合、彼の自己分析理論は、非常に役立つであろう。しかし、その手間と暇のかかることといったら、とても実用的とは思えない。(未完)

【まとめ】
《唯幻論的自己分析で、役に立つと思われる方法または資料(順不同)》
*自分を嫌い、憎んでき悪口や非難を向けてくる他者
*激しいショックを受けたとか、猛烈に癪に障った非難
*癪に障った悪口
*友好的な関係にある友人のふと漏らす不満や驚き
*他者の反応と自分の意識のズレを元に、自分の無意識に敵意や軽蔑があるのではないかという仮説を立てる
*人に非難されたとき、それを正しいと仮定して、ほかにも同じようなことがなかったか懸命に探す
*喧嘩別れした親友とか、挫折した恋愛とか長い間にわたる確執などを転移現象と考えてみる
*他者の行動に対する自分の過剰反応
*嫌いな人たちの嫌いな面
*うまくいかない人間関係
*「下司のかんぐり」を逆用する
*非常に強く心を動かされたり、かき乱されたりした事件や物語
*自己分析の結果をノートに書き記す。そのノートをあたかも他者が書き記したもののように後から読み返す


《唯幻論的自己分析で、役に立たないまたは逆効果と思われる方法または資料(順不同)》
*誠実な内観
*自己観察
*一人静かに禅寺とか山の中に閉じ籠もって瞑想にふける
*他人を分析する
*友人の好意的反応
*自分のあるべき健全な姿を設定して、それに合わせようとする
*不適応な行動パターンを改め、正しい行動パターンに自分を慣らしていく
夢分析