精神分析とは
【引用】
精神分析とは、実のところ、誰でも普段に自ずと知らず知らずのうちに用いているありふれた常識的な人間理解の方法をいくらか深めて体系化したものに過ぎず、伝家の宝刀とか秘法とかの類ではないのだから、」
(唯幻論物語P161)
「岸田
精神分析は、倫理でも宗教でもありませんから、別に厳しくはありませんよ。ただ、神経症人格障害なども含めて)の苦しみ(周りの人々に与える苦しみも含めて)と現実の苦しみとは二者択一であるという事実を明らかにしただけです。現実の苦しみから逃避すれば、神経症の苦しみを招くということ、神経症の苦しみを解決するためには現実の苦しみを引き受けなければならないということ、この二つを説いているに過ぎません。どちらの苦しみも同時になくする道はないということです。」
(心はなぜ苦しむのかp253)

【日本精神分析協会公式定義】
精神分析は20世紀のはじめにウィーンでジークムント・フロイトによって始められました。それは人間のこころが意識的なこころと無意識的なこころの両方から成り立っているという考えを基礎にしています。私たちは誰でも、ある種の無意識的なとらわれのなかで生きています。そのとらわれが大きすぎると、苦しくなり、ゆとりを失い、ときにはこころの病になります。

 精神分析は特別なやりかたで、分析を受ける方と精神分析家とが交流する実践です。分析を受ける方がしだいに自分自身を無意識的な部分も含めてこころの底から理解し、とらわれから自由になり、生き生きとしたこころのゆとりを回復させることをめざしています。 (後略)
(日本精神分析協会公式HPより引用)