Q「人間の本能は本当に壊れているのですか?」
Q「心臓は動いています。人間の本能は壊れていないと思います。」
Q「動物(たとえば熊)に襲われれば、逃げ出します。これは本能ではないでしょうか?」


【引用】
「人間は本能の壊れた動物である。念のために断っておくが、本能は『壊れた』のであって『なくなった』のではない。壊れて断片化した本能、本能の数多くは存在し続けているが、本能の断片では一貫した適応行動の指針にはならないのである。動物は、本能にもとづいて、現実の自然環境を知覚し、知覚した現実の中でどのような行動をするかを決定する。本能が壊れたということは、人間が現実を統一的に知覚できない、すなわち、一貫した適応行動に向けられるべき現実を見失ったということ、すなわち、現実も断片化して不分明になったということであり、人間は周りの状況がどうなっていて、何をどのように行ったらいいのか、わからないのである。(後略)」
(日本がアメリカを赦す日p220)

【注】
ほかにも別の表現で、説明しているところがあります。追加予定。

【一言】
ここでつまずくというか引っかかる場合があるでしょう。私も、はじめに引っかかりました。本能がなければ、性欲は起こらないじゃないかと思っていましたから。本能論というのは、自己正当化の逃げ論だと思うのですが、根強い信仰ですね。自己正当化に都合がよいからでしょう。